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1. サファイアの品質評価

サファイアは「カラー」「クラリティ・透明度」「テリ・輝き」を総合的に評価します。
特に「カラー」はサファイアの価値に影響する最も重要な要素です。
最も価値が高いとされるブルーサファイアは、ベルベットのように柔らかなブルーからわずかにパープルがかったブルーです。
強い鮮やかな彩度をもったサファイアは、より好まれています。
明度は暗すぎず明るすぎず中間程度の明度が最も好ましいとされています。
これらの要素を兼ね備えた最高級の品質のカラーを持つサファイアは「ロイヤルブルー」という取引用語で呼ばれています。

次に「クラリティ・透明度」は、よりインクルージョンが少なく、透明度の高い石が高い評価となります。
しかし実際には内包物が全くないサファイアは実際には存在しないため、その種類や大きさ、入っている場所などが全体的な石の透明度、美しさにどれくらい影響があるかを見極めることが重量です。

3つ目の「テリ・輝き」については、カットとの関連性が高い要素となります。
サファイアの縦・横・深さのバランスが優れていると、石の奥から色があふれ出るような輝きを楽しむことができます。
またサファイアは色ムラがあるため、カット形状や石の品質ごとに最適な縦・横・深さの比率があり、その石の個性を見極め、最適な比率でカットされた石がより美しく高い評価となります。

2. サファイアの処理について

サファイアは色の改善を目的に一般的に「加熱処理」が施されています。
したがいまして、サファイアの加熱については、査定評価においても問題がない処理として評価されます。

また、加熱をしなくても元々の色合いで美しい石については、処理をせずそのままの状態で市場に出せるものがあります。
そのような石は「非加熱／無処理」の石として、査定評価においても、極めて高い評価となります。
例えば、同品質の5カラット サファイアが2石あり、1つが加熱処理、もう一方が非加熱／無処理の場合、前者の石の相場は50万円、後者の石の相場1500万円というように3倍の差が出ることも珍しくありません。
またこの差は石の重量が大きくなるほど、品質が高くなるほど大きくなる傾向にあります。

一方で、査定評価に影響のある処理として「拡散加熱処理」があります。
「拡散加熱処理」は、色の改変や強調を目的として、熱処理時において宝石の原子の格子内に特定の元素を浸透させる処理です。
つまり元々の色とは全く異なる色を人為的に生み出す処理となります。
この「拡散加熱処理」が施されたサファイアの査定評価は、一般的な「加熱処理」のサファイアと比べて著しく低くなり、評価が難しいケースもあります。

3. サファイアの産地について

サファイアの産地は、カシミール、ビルマ（ミャンマー）、タイ、スリランカ、カンボジア（パイリン）、マダガスカル、オーストラリア等となっています。
そして産地ごとに、色調をはじめ、透明度や彩度、明度などが異なり、それぞれ産地特有の個性を持っています。
各産地における価値の違いとしては、カシミール産が最も評価が高く、次いでビルマ産の評価が高くなっています。
その他、スリランカ産やマダガスカル産、カンボジア（パイリン）産などの評価が高く、最後にオーストラリア産やナイジェリア産の評価となっています。